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Sunday, July 25, 2021

資源再利用 企業が本腰 : 経済 : ニュース - 読売新聞

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 できるだけ長く使え、何度も再利用が可能な容器や原材料を製品に取り入れる企業が増えている。「サーキュラーエコノミー(循環経済)」と呼ばれ、消費者の協力も得て、限りある資源を循環させて廃棄物を減らすことを目指す。

 「返却はこちらへ」

 イオンスタイル幕張新都心(千葉市)の店内には、使用済み容器の返却を呼びかける告知文が載る青い小型の箱が置かれている。米国の新興企業が主導する再利用の枠組み「Loop(ループ)」の回収ボックスで、消費者が容器を入れるとスマホのアプリ経由で容器代が返金される。

 ループは、〈1〉小売店は耐久性が高く繰り返し使えるステンレスやガラスなどの専用容器に入った食品や日用品を販売〈2〉購入者は、使用済み容器をボックスに返却〈3〉回収した容器は検品や洗浄を行ってメーカーに供給し、再び製品に使用――という仕組みとなる。日本では5月時点でメーカー25社が参加している。イオンは、首都圏の19店舗で16品目を販売しており、10月以降に対象店舗を50店舗、商品数も来春までに約50品目に増やす予定だ。

 ループのような取り組みは「循環経済」と総称され、2015年に欧州連合(EU)の提唱をきっかけに世界的に広まった。コンサルティング大手・アクセンチュアによると、経済効果は30年までに4・5兆ドル(約500兆円)に上ると予測され、企業には大きな「商機」となる。

 日本でも経済産業省と環境省が今年1月、企業に循環経済の取り組み状況を情報開示し、投資家との対話を促す手引を発表した。経団連も会員企業による事例集の作成を進め、国際会議でアピールする方針だ。

 日本企業が主導する事例の一つが、廃プラスチックの再資源化に向けた共同出資会社「アールプラスジャパン」。20年6月に事業を始め、使用済みのレジ袋や食品トレーを、プラスチックなどの化学原料として再利用する技術の開発を進める。二酸化炭素の排出量や資源の使用量の削減が期待でき、27年の実用化を目指す。

 サントリーホールディングス(HD)やアサヒグループHD、セブン&アイHD、カルビーなど流通や食品大手を中心に7月上旬時点で29社が出資している。

 タイヤ事業で廃棄物の量自体の抑制を図るのが、ブリヂストンのリトレッドタイヤ。すり減った表面を貼り直して再生し、タイヤの保守・点検を含めて収益拡大につなげる。新品の販売は継続するものの、「売らずに稼ぐ」というビジネスモデルを一段と重視する。

 岡三証券の佐藤健シニアストラテジストは、「投資家は企業の付加価値の一つとして環境への取り組みを重視し、遅れている企業には資金が集まりにくくなっている。より広くPRする努力も必要だ」と指摘している。

 ローソンは「ナチュラルローソン」の一部店舗で、木製スプーンを無料提供する実証実験を行う。希望者には大小2種類の木製スプーンを渡し、プラスチックごみの削減を図る。

 六本木ヒルズ店(東京都港区)など、都内の8店舗で、8月17日から3か月間実施する。カレーライスやデザートなどを購入した客を対象に想定している。割りばしの包装もプラスチック製から紙製に切り替える。

 ナチュラルローソンは、環境に対する関心の高い客が多く、すでに弁当の一部で紙製容器を使う取り組みを進めている。

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