カンボジアのフン・セン首相は20日午前、第26回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)でオンライン講演した。「アジアが新型コロナウイルス下で打撃を受けた世界経済を回復させるカギを握る」と述べ、そのためにはまずアジア各国が十分なワクチンを確保できるようにすべきだとの認識を示した。カンボジア経済の中国依存の高さについては、経済成長を進めるうえで「中国の支援が不可欠だ」と強調した。
カンボジアは2020年以来、欧米に比べて感染者を抑えてきたが、2月下旬から感染が急拡大。累計感染者数はそれまでの500人程度から、足元では約2万3000人になり、4月15日から5月5日まで首都プノンペンなどでロックダウン(都市封鎖)を実施した。フン・セン氏は「火を消すよりも起こさないことが重要だ」と述べ、感染が広がった場合は今後も部分的にロックダウンを実施する考えを示した。
先進国と途上国の間でワクチン調達に格差が出ていることについて、フン・セン氏は「経済的に脆弱な国も早期に確保できるよう世界の公共財にすべきだ」と述べ、医薬品などの貿易に関わる規制の撤廃などを訴えた。コロナ後の経済成長を見据えた3カ年計画を策定し、デジタルインフラの整備や投資環境の改善などに取り組む方針を明らかにした。
バイデン米政権発足後も貿易や人権などを巡り米国と中国との対立が続いていることにも言及。フン・セン氏は「2国間の対立が激化すればアジア地域の経済や安定に悪影響が及ぶ」とし、両国とも緊張緩和に向けた努力が必要だと述べた。一方、カンボジアについて過度の中国依存が指摘されていることに対し「中国の支援がなければ誰に頼ればいいのか」と強調。カンボジアの経済成長には中国のインフラ投資が不可欠だとして親中国の立場を改めて明確にした。
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