[3日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は3日、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、米経済は過去数十年間で最も高い成長を遂げる見通しだが、政策支援の縮小を検討するほど強まってはいないという考えを示した。
オンラインイベントで、今年の国内総生産(GDP)はインフレ調整後で約7%増と、1980年代初頭以来の高成長を記録する可能性があるものの、物価安定と最大雇用という二重の責務を達成できるかは不透明だと指摘。「経済に大きな変化が起きていることは明らかであり、見通しも改善しているが、現在見られるデータや状況は、連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策スタンスを変更するほど十分とはいえないことを強調しておきたい」と語った。
労働市場では新型コロナウイルスの流行前と比べて850万人もの就労者が失われており、金融危機後に見られた最悪の状況に匹敵するほか、雇用の減少はサービス業や黒人・ヒスパニック系の労働者を最も直撃しており、「雇用の大幅な伸びがしばらく続かない限り、雇用情勢の完全な回復はあり得ない」と述べた。
物価については、短期的に伸びが拡大する可能性はあるものの、来年には2%程度に鈍化する見込みで、物価が持続できないほど高進する可能性は低いという見方を示した。またFRBの目標は期待インフレ率を2%に抑えることで、物価が過度に高まらないよう対応する手段はあると確認した。
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