2020年11月26日07時07分
財政制度等審議会（財務相の諮問機関）が２５日、建議（意見書）を取りまとめたのを受け、２０２１年度予算案の編成作業が本格化する。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府・与党は２０年度第３次補正予算案と一体的な「１５カ月予算」を策定し、切れ目のない対策で経済を下支えする考えだ。歳出膨張の圧力は例年になく強く、財政規律の緩みも懸念されている。
「感染拡大防止、経済回復、財政健全化の『三兎（さんと）』を追い、いずれも実現しなければならない」。建議は日本の財政を取り巻く厳しい現状について、こう分析した。コロナ流行に伴う構造変化に対応する企業の支援などで、日本経済の成長力強化を目指すよう求めた。
具体的には、生産性向上や人口減少への対応、行政のデジタル化を列挙し、高い効果が見込まれる政策に重点配分する必要があると指摘。「財政支出を増やせば持続的な経済成長が起きるといった単純な話ではない」として、過度な歳出増加を招かないようくぎを刺した。
しかし、コロナ禍が長引き、大胆な財政出動を求める声は依然として強い。２５日には、国会内で安倍晋三前首相が会長を務める議員連盟が会合を開催。講演した高橋洋一内閣官房参与は、国内総生産（ＧＤＰ）と、日本経済の潜在的な実力との差が３０兆～４０兆円あるとして、「（ギャップを）埋めるような財政政策が必要だ」と訴えた。
２０年度の歳出規模は、２度の補正後で既に１６０．３兆円と前年度決算額の約１．６倍に膨張。今後は３次補正が加わる一方、税収は見通しからの下振れが避けられない。２１年度予算案では、各省庁の概算要求総額が過去最大の１０５．４兆円で、具体的な要求金額を示さない事項要求も多い。財務省は厳しく査定する方針だが、年末に決定する当初予算案は３年連続で１００兆円台に達する公算が大きい。 
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November 26, 2020 at 05:07AM
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「１５カ月予算」編成本格化 コロナ禍、財政規律緩み懸念 - 時事通信ニュース
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