米国で新型コロナウイルスへの追加的な経済対策法が24日成立した。規模は4800億ドル(約52兆8000億円)で、これまでの対策は累計3兆ドル近くになり、財政は大幅に悪化。議会予算局の試算によると、2020会計年度(19年10月~20年9月)末の債務残高は国内総生産(GDP)比で101%となり、第2次世界大戦直後の水準に迫る見通しだ。

新型コロナ対策による財政出動に加え、経済活動の停滞で税収も減少する20年度の財政赤字は3兆7000億ドルと過去最大規模に拡大する。債務残高は1946年度(106%)以来の高水準で、2019年度末の79%から急上昇する。トランプ米政権は追加の経済対策を検討する方針で、債務はさらに膨らむ可能性がある。

米国の実質GDPは悪影響が本格化する4~6月期に前期比年率換算で39・6%減の大幅なマイナス成長で、今月初旬に見込んでいた28%減から下方修正。失業率も14%に跳ね上がると分析した。経済活動の再開を念頭に7~9月期のGDPは23・5%増の急回復を見込んだが、失業率は16%と雇用情勢の悪化は当面続くと説明した。

今回の対策は3月下旬に成立した2兆2000億ドルの経済対策を補完する位置付け。資金が枯渇した中小企業の雇用支援が柱で、医療機関の支援や感染検査にも使う。(共同)