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Monday, March 30, 2020

日本の財政がわかってない人に教えたい真の姿 - 東洋経済オンライン

小説『オペレーションZ』が描いた不均衡な世界

小説家の真山仁氏(右)が財務省トップの岡本薫明次官に徹底質問(撮影:尾形 文繁)

日本国債が暴落する中、破綻回避のために国の予算を半減する極秘作戦に取り組む首相や若手財務官僚らを描いた小説『オペレーションZ』。草刈正雄主演での連続テレビドラマが3月15日から放映開始となった。

『オペレーションZ』の著者である人気小説家・真山仁氏が、財務省事務方のトップである岡本薫明次官と、ビジネスマンの目線で語り合った全2回の対談。前半編は、財政に対する国民意識や赤字が生まれる構造などについて語った。

国家財政はこのままで大丈夫か

真山 仁(以下、真山):『オペレーションZ』を書くきっかけは2つありました。1つは、官僚について描きたいという思いから派生して、財務省とはどんな組織なのか、調べてみたいという気持ち。もう1つは、国家財政の収支があまりにアンバランスであり、われわれの未来はこのままで大丈夫なのか、という疑問です。今日は、岡本さんに実際のところはどうなのかをうかがえればと思います。

初めに、財政という言葉は知っていても、「国民にとって財政とは何か?」と問われて、しっかりと答えられる人は少ないですね。

岡本 薫明(以下、岡本):そうですね。確かに一言でいうのは難しい。国家というものがあって、その根源的なところは「国民を守る」ことだと思います。では、国民を守るために何が必要なのか。身近なところでは、社会保障、年金、医療、福祉、教育であると。さらに安心・安全という意味ではインフラ整備があり、国防や警察がある。これらをすべてまとめて行政サービスと呼ぶとすると、それをきちんと提供して国民の生活を守るのが国家の使命です。

では、それにかかるコストはどうするか。民主国家においては、これを税金で負担してもらう形になります。本来は、負担していただく範囲内で行政サービスを提供するのですが、経済や社会が大きく変化すると、歳入と歳出に差が生じて、それが財政赤字になります。これは借金として、将来返済する世代に負担を負わせることになります。今の日本の財政はこのような状況にあります。

真山:最近、大学生と話をしていると、「国家って必要ですかね?」と質問されます。おそらく、それなりに安定した生活を送れている若い世代にとっては、国家の存在や意義を意識する機会が少ないまま過ごしているのでしょう。「普段の生活で何の不自由もなければ、基本的には国なんか目立たないほうがいい」という印象が私にはありますが、いかがですか。

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