【香港=田中靖人】香港政府が「緊急状況規則条例」(緊急法)による「覆面禁止法」を5日に施行したことで、一部のデモ参加者は放火や政府を支持する商店の破壊など、抵抗を過激化させた。政府や警察が押さえ込みを強めるたびにデモ隊が抵抗の度合いを高める悪循環に入り、市民生活にも影響が出ている。
「逃亡犯条例」改正問題に端を発した抗議活動は、徐々に週末の平和的なデモが減り、一部デモ隊と警官隊の衝突が日常化している。特に中国建国70年の10月1日以降は平日でも夜間に各地でデモ隊が道路占拠や放火を繰り返し、警官隊が催涙弾を発射して解散させている。
デモ参加者は警察と衝突する少数の「勇武派」と、多数の「和理非(平和、理性的、非暴力)派」に大別されるが、現場では和理非派が“前線”の勇武派に水や傘などを手渡しで送って協力する場合もある。
4日夜には、マスク禁止に反発したデモ参加者が各地で抵抗を過激化させた。地下鉄の駅施設が破壊され、一部で停車中の車両が放火された。行政施設や、経営者が政府支持の発言をした一部商店や飲食店も襲撃された。香港島中心部の繁華街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)では、大勢の若者が中国系銀行のガラス壁を破って火炎瓶を投げ込み、ATM(現金自動預払機)を壊しては「次だ」と声をかけて立ち去った。
新界地区では警察官が取り囲まれて殴打され拳銃を発砲、少年(14)が重傷を負った。
2019-10-05 07:25:00Z
https://www.sankei.com/world/news/191005/wor1910050015-n1.html
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