【香港=角谷志保美】香港では5日、抗議運動の参加者がマスクなどで顔を隠すことを禁じる「覆面禁止規則」が施行され、導入に反対する住民らによる抗議行動が未明まで続いた。一部が暴徒化して地下鉄駅や中国系の店舗などを破壊し、警官の実弾発砲による負傷者も出た。香港政府によると、4日のデモでは31人が負傷した。
香港警察によると、中国本土に近い新界地区・元朗では4日夜、私服警官がデモ隊の暴行を受け、拳銃を1発撃った。香港メディアは、銃弾がデモに加わっていた少年(14)の太ももに当たり、大けがをしたと報じた。警官の発砲による負傷者は1日に続き2人目。私服警官は発砲後、デモ隊の放った火炎瓶で服に火が付き、逃げる際に落とした拳銃を奪い合い、取り戻したという。
香港では4日、行政長官に様々な規則の制定権限を付与する「緊急状況規則条例」が発動された。これに基づく覆面禁止規則は、摘発を逃れるために着用しているマスクを外させることでデモの過激化を抑える狙いがあるが、デモ隊は規則が施行された5日午前0時になってもマスクを着けたまま抗議を続け、地下鉄駅や道路信号などを壊した。
この影響で5日は朝から、地下鉄や、香港島中心部と空港を結ぶ列車が運休した。
香港政府は5日未明、「暴徒による破壊行為」への非難声明を出した。しかし、デモ参加者らは「マスク禁止で問題は解決しない」と反発を強めており、週末の5日と6日にもデモが呼びかけられている。
2019-10-05 06:34:00Z
https://www.yomiuri.co.jp/world/20191005-OYT1T50253/
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