2023年の暮れもいよいよ押し詰まりました。今回は年末年始の食べ過ぎ・飲み過ぎの後やおせちを食べ飽きた頃にオススメのシジミを使ったスープを紹介いたします。
シジミの産地といえば島根県・青森県・茨城県が有名で、日本三大シジミといわれます。茨城では中でも涸沼(ひぬま)のシジミが有名。涸沼は満潮時には涸沼川を通じて海から海水が逆流し、淡水と混ざり合います。シジミの成育にとても恵まれた環境なので、粒が大きくなることで有名です。大きいものは500円玉くらいにもなります。
また、全国でも珍しく機械を使わず人力で丁寧に採るので、傷がつくのを最小限に抑えられます。ストレスを与えないので、涸沼のシジミは元気が良く鮮度が長持ちするといわれています。
季節を問わず年中食べられます。旬は年に2回。6~8月の産卵時期の身がぷっくりと膨らんだ「土用シジミ」と、12~2月にかけて寒さで身がしまっている「寒シジミ」です。うま味成分の中心はコハク酸。肝臓の働きを助ける栄養素も多く含まれ、特にアラニンはアルコール分解を助ける重要なアミノ酸。またマグネシウム、亜鉛などさまざまなミネラルも豊富に含まれています。
シジミの砂抜きは0・3~0・5%の濃度の塩水で3~5時間(冬はさらに1~2時間長めに)行うのが一般的です。濃いめの1%の塩水を使うとうま味成分が増えて味が良くなるとも。時間があるときは砂抜き後に冷蔵庫に少し置いておくと、コハク酸やアラニンが増え、さらにおいしくなるといわれています。
シジミは、冷凍ものを使うのもオススメ。冷凍すると細胞が壊れ、うま味成分が出やすくなるので、うま味を感じるようになるといわれています。自宅で冷凍する際も先に砂抜きをします。
今回のレシピでは牛乳で作っていますが、豆乳でも代用可。体が温まるスープ、ぜひ作ってみてください。
今年も1年、ご覧いただきありがとうございました。みなさまがよいお年を迎えられますように。
◆材料(2人分)
(1人当たり106キロカロリー 食塩相当量1.2グラム)
シジミ120グラム、玉ネギ1/4(50グラム)白菜100グラム、水100ミリリットル、塩小さじ1/3(2.0グラム)、牛乳200ミリリットル、バター5グラム、パセリ適宜
◆作り方
(1)シジミは0.3~1%の塩水で3時間以上砂抜きしておく。
(2)玉ネギ、白菜は1センチ角に切り、パセリはみじん切りに。
(3)鍋にシジミ、玉ネギ、白菜、水、塩を入れてフタをし、中火弱でやわらかくなるまで煮る。
(4)やわらかくなったら牛乳、バターを加えて沸騰させないように温める。
(5)器に入れ、パセリを飾る。
<やまと・さおり> 管理栄養士、料理研究家。1989年、水戸市生まれ。東京農大卒。市内で「お料理教室オムスビ」を開講している。
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