景気の「方向感」「予想」を考慮
26日に発表された月例経済報告で、内閣府は景気の総括判断を「依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」として「持ち直し」の判断を維持しました。
項目別では、個人消費が「サービス支出を中心に弱い動きとなっている」と下向き方向の判断、生産は「持ち直し」、輸出は「緩やかな増加」、設備投資は「持ち直し」とそれぞれ上向き方向の判断を維持しました。GDP(国内総生産)の5割強を占める個人消費の弱さを、企業部門の底堅さが打ち消すことで、全体としてみれば「持ち直し」という判断でしょう。
度重なる緊急事態宣言の延長・拡大にもかかわらず、景気が持ち直しているとの判断に違和感を覚える方は多いと思います。こうした違和感が生じるのは、内閣府の景気判断は景気の「方向感」を重視しているからです。したがって、現在のように大幅な需給ギャップ(22兆円程度の需要不足)を抱え、経済活動の水準が落ち込んでいたとしても、数か月前との比較で景気が持ち直していると評価できれば、楽観的な景気判断をする傾向にあります。
また内閣府は景気判断にあたっては「予想」も考慮します。この8月がまさにそうであるように、機械的に経済指標を判断すると「持ち直し」とは言い難い状況にあっても、予想を加味し、近い将来(数か月先)の回復が期待できるのであれば、そのまま「持ち直し」で耐えしのぐことがあります。ワクチン接種の進展などによってコロナ感染状況が安定し、向こう数か月の間に個人消費(特にサービス)が下げ止まり、総括判断の妥当性が保たれるという算段でしょう。
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