(ブルームバーグ): 世界経済はスタグフレーションへの圧力増大に見舞われている。エネルギー価格急騰でインフレが高進し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うリセッション(景気後退)からの経済回復が遅れている。
原油相場は3年ぶりに1バレル=80ドルを突破し、天然ガス先物10月限は7年ぶりの高水準にある。ブルームバーグ商品スポット指数は約10年ぶりの水準に上昇した。
ブラジルの作物が不作だったこともあり、食品も値上がりしている。指標の国連指数はこの1年で33%上昇した。
物価上昇はエコノミストがわずか数カ月前に示した予想を上回るペースで加速しており、家計、企業がともに直面するコスト上昇が信頼感に響いている。政策当局者はインフレと成長鈍化のどちらのリスクが高いかを判断せざるを得ないという難しい立場に置かれる可能性がある。
こうした状況は、1970年代のように、原油にけん引されたインフレ高進と景気停滞が重なる現象と既に比較されている。多くの中銀当局者はこれは大げさだとして取り合わないが、より持続的な物価上昇が賃上げ要求につながり、経済が悪循環に陥ることが懸念される。
ピクテのストラテジスト、スプリヤ・メノン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「あらゆる分野で物価が上昇している」とした上で、「最終的にどのように解決されるだろうか?一部は需要の破壊を経て落ち着いていくかもしれない」と指摘した。
ブルームバーグ・エコノミクスの試算では、商品が20%値上がりすると、その消費者や生産者に少なくとも5500億ドル(約61兆3690億円)の影響をもたらす。ベルギーの年間国内総生産(GDP)にほぼ匹敵する規模だ。ドルベースで比較すると最大の敗者は中国、インド、欧州、勝者はロシア、サウジアラビア、オーストラリアなどとみられる。
英国では9月の消費者信頼感が低下し、その下げ方は新型コロナの行動制限が強化された約1年前以来のペースとなった。米国でも消費者信頼感に影響が出ている。物価高で消費者の購買意欲は1980年代以来の水準に後退した。
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