Pages

Sunday, December 20, 2020

【中国を読む】中国経済、世界で「独り勝ち」も景気回復はK字型 - SankeiBiz

kuyupkali.blogspot.com

 足元の中国経済をめぐっては、実質国内総生産(GDP)の水準は昨年末の水準を上回るなど、新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響を克服している。一方、欧米など主要国では感染再拡大により行動制限を再強化する事態に追い込まれているほか、一部の新興国では感染収束の見通しが立たないなど、その影響にさいなまれる状況が続く。その意味では、中国経済は「独り勝ち」とも呼べる状況にある。ただし、中国景気は回復感を強める展開が続く一方で新たな課題が表面化しており、当局は対応に苦慮する場面も予想されるなど、一筋縄ではいかない実情もうかがえる。(第一生命経済研究所・西浜徹)

 感染拡大の影響克服

 中国では、年明け以降の新型コロナ感染拡大を受けて、都市封鎖など強硬な封じ込め策が講じられた結果、1~3月の実質GDP成長率は前年同期比6.8%減と四半期ベースで初のマイナス成長となるなど、深刻な景気減速に直面した。しかし、その後は感染収束が進むとともに経済活動の正常化が進められ、4~6月は同3.2%増と早くもプラス成長に転じ、7~9月は同4.9%増と伸びが加速するなど底入れが進んでいる。

 なお、季節調整値に基づく前期比ベースの伸びで試算すると、4~6月の段階で実質GDPの水準は新型コロナ感染拡大直前の昨年10~12月をわずかに上回り、7~9月もプラス成長が続いている。その後の経済指標の動きは景気の一段の底入れがうかがえるなど、中国経済は新型コロナ感染拡大による影響を克服していると捉えられる。

 欧米など主要国は感染再拡大に直面しており、行動制限の再強化に追い込まれるなど景気に下押し圧力が掛かる懸念がある。一部の新興国では感染拡大が続いており、事態収束の見通しが立たないなど、影響が深刻化する可能性もある。主要国のなかで影響を克服している中国経済は文字通り「独り勝ち」とも呼べる状況にあると判断できる。

 国際金融市場は全世界的な金融緩和を背景に一段と「カネ余り」の様相を強めるなか、ワクチン開発への期待を追い風に活況を呈している。さらに、米大統領選でのバイデン前副大統領の勝利が確実となるなか、次期政権も財政出動による景気下支えに動くとの期待は米ドル安圧力を招いている。結果、国際金融市場は「リスク・オン」の様相を強めるなかで、一部のマネーはより高い収益を求めて新興国に回帰する流れもみられる。中国景気の回復の動きは資金流入を後押ししており、人民元相場の上昇や株価の底入れにつながっている。

Let's block ads! (Why?)


からの記事と詳細 ( 【中国を読む】中国経済、世界で「独り勝ち」も景気回復はK字型 - SankeiBiz )
https://ift.tt/2LVqy7i

No comments:

Post a Comment