2020年12月04日07時16分
政府が閣議決定する２０２１年度予算編成の基本方針の原案が３日、判明した。「経済あっての財政」との考え方を掲げ、新型コロナウイルス感染拡大が直撃した経済の回復を優先する姿勢を鮮明にした。また、「デジタル社会の実現を目指す」ことに加え、ポストコロナ時代に向け「新しい社会を支える『人』・イノベーションへの投資を強化する」と表明。就任後初となる予算編成で菅義偉首相カラーを前面に打ち出した形だ。
さらに、５０年に（温室効果ガス排出を実質ゼロにする）カーボンニュートラルを目指すことも明記した。政府は４日に経済財政諮問会議を開いて基本方針案を提示。今月上旬の閣議決定を目指す。
来年度予算の重要政策課題として、新型コロナの感染拡大防止策や、成長力強化のためのデジタル改革・グリーン社会の実現を掲げた。子どもを産み育てられる環境づくり、災害復興・防災対応の強化などにも取り組み、必要な予算措置を講じると強調した。
財政については「国・地方の債務残高がＧＤＰ（国内総生産）の２倍を超えて膨らむ見込み」と指摘。２０年度末試算で１１００兆円を超える債務残高に危機感を表明し、「歳出全般にわたり、聖域なき徹底した見直しを推進する」と決意を示した。
ただ経済回復の優先を背景にして、７月に閣議決定した経済財政運営の基本指針「骨太の方針」と同様に、２５年度に基礎的財政収支（ＰＢ）を黒字化する財政健全化目標について直接的な言及を見送った。 
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December 04, 2020 at 05:16AM
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「経済あっての財政」 経済回復優先―来年度予算方針 - 時事通信
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