安倍晋三首相の後継者は、引き続き新型コロナウイルス感染症の封じ込めと、戦後最大の落ち込みとなった経済の回復を両立させていくことが最優先の課題となる。14日に行われる自民党総裁選は安倍首相の右腕である菅義偉官房長官が優位な情勢となっており、金融市場では経済政策の継続とスピード感に期待する声が多い。
自民党総裁選には、1日に岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長が正式に立候補を表明した。菅官房長官は同党参議院議員有志からの立候補要請に対し、前向きに検討すると返答しており、2日午後5時に記者会見を開く。党内7派閥のうち細田派、麻生派、竹下派、二階派、石原派の5派閥が支持に回る情勢で、394の議員票では菅氏が圧倒する見通しだと共同通信は報じた。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、「誰が首相になろうがスタートダッシュが非常に重要」とし、「市場は経済政策の継続について確証を必要としており、国内では着実なコロナ対策の運営に関して期待が非常に強い」と述べた。
金融、財政、成長戦略を3本柱に経済成長を追求してきたアベノミクスによって、第2次安倍政権発足当時から株価を2倍に引き上げ、円高を是正して為替市場を安定させた。安倍首相の辞任が伝わった直後こそ変動した金融市場だが、政策継続への期待感から現在は平静を取り戻している。
岸田氏は1日の出馬会見で、「金融、財政政策はいきなり変えると弊害がある」とし、新型コロナ対策として「財政、金融措置は引き続き思い切って行う」とアベノミクスを踏襲していく考えを示した。安倍政権と一定の距離を置いてきた石破氏も同日の会見で、アベノミクスについて「金融政策が功を奏していろいろな数字が改善した」と評価し、「急に変えることはしない、かえって悪影響が大きい」と語った。
金融市場が安定を保つ中で、新首相には新型コロナの感染拡大を防ぎながら、第2次安倍政権発足以前の水準に逆戻りした日本経済を再び成長軌道に戻していく難しいかじ取りが求められる。2021年10月の衆院議員の任期満了を控え、1年以内に行われる可能性が大きい解散・総選挙に勝利するには、迅速なコロナ対応で成果を収めることが不可欠だ。
多くのエコノミストは、新政権は一段のコロナ対応を目的とした追加の経済対策に踏み切ると予想する。感染再拡大防止の観点から需要喚起策を打ち出しづらく、引き続き企業や家計の資金繰りに対する支援策が中心になるとみられているが、ポスト・コロナも見据えた成長戦略を含めた新首相の経済政策運営方針にも注目が集まる。
安倍首相はアベノミクスで掲げた「デフレからの脱却」を果たせないまま辞任することになるが、7年以上にわたる大規模な金融緩和の継続と強化によって、日本銀行の政策手段はほぼ出尽くした。むしろ、コロナ対応で今後も積極的な財政出動が想定される中、現行のイールドカーブコントロール政策の下で長期金利を低位に保つことの重要性に焦点が絞られやすい状況になっている。
BNPパリバ証券の河野龍太郎エコノミストは「パンデミック(世界的大流行)危機が収束するまでは、誰が首相であっても、社会基盤を守るために追加財政を続けざるを得ない」とし、「日本銀行は拡張財政がもたらす金利上昇圧力を吸収しなければならない。それゆえ、拡張的な財政政策と緩和的な金融政策は変わることはない」と語る。
他方、安倍首相の功績として、米国のトランプ大統領と親密な関係を築くなどの外交を挙げる声が多い。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、「安倍首相の辞任を踏まえて警戒すべきは、 国際舞台における日本の顔の喪失がもたらす悪影響ではないだろうか」との見方を示し、「安倍首相に匹敵する日本の顔に、後継首相がなり得るのか否かは日本の国際的な地位を考える上で極めて重要な問題だ」と指摘した。
ブルームバーグ・エコノミクスの増島雄樹シニアエコノミスト |
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「いずれの候補者も、経済政策面で新しい要素をもたらさないだろう。菅官房長官の勝利は政策の継続性を強固なものにする。他の候補者が勝利した場合も、少なくともコロナ対策が落ち着くまではほとんど同じだ」 全文をご覧になる場合にはこちらをクリック |
(第2段落の自民総裁選を巡る情勢の説明を差し替えて更新しました)
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September 02, 2020 at 07:16AM
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次期首相、コロナ対応と経済回復両立が最優先課題-政策継続期待 - ブルームバーグ
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