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Wednesday, June 3, 2020

最も確実な投資先 それは世界経済全体 - 日本経済新聞

投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

確かに日本は成熟した国だ

日本は昭和から平成へと時代が変わる頃に高い経済成長の時期を終えて成熟社会へと移行した。その後はバブル崩壊からデフレ不況に苦しみ続け、ほとんど経済成長できなくなって久しい。21世紀に入り少子化と高齢化が本格的に始まって、人口も2008年をピークに減少過程に入っているんだ。この先は世界に類例を見ない超高齢社会が本格化する。現在約1億2600万人の人口は右肩下がりに減少し50年前後には1億人を割り込む見通しになっている。

人口が減れば経済は縮むのが道理

人口減少は経済の担い手が減ることだから、経済が縮んでいくと考えるのが理にかなっている。逆に人口増は経済成長の大前提たる源泉だ。実は日本から世界に目を向けると、過去から未来に至るまで一貫して世界全体の人口は増え続けているんだ。世界人口は1998年に60億人を超え、2011年には70億人を突破。そして国連の人口推計では30年後の2050年に98億人と予測されている。

3~4%成長を続ける世界経済

右肩上がりの人口増と共に世界経済の成長は持続しており、ざっと年率3~4%程度の極めて安定した成長巡航速度で推移してきている。短期的には今回のコロナ禍のように成長率が下方屈折することはあっても、将来を見通せば世界経済はしばらく人口増に裏打ちされた相応な経済成長軌道を合理的に見いだすことができる。だから長期資産形成においては世界経済全体の安定した成長を取り込む「国際分散投資」が潮流になっているんだ。

これから豊かになる人がどんどん増える

ハジメくんも知っての通り、世界は五大陸に分かれて人類が生息する。米国、欧州、日本などの先進国地域もあれば、中国、ロシア、ブラジルなどの新興国やその他多くの発展途上国地域もあり、経済の発展段階はそれぞれに異なっている。そしてこの先の人口増の大半は発展途上国でのものだ。つまりこれから経済成長が本格化して豊かになっていく人たちがどんどん増えていくわけなんだ。

国際分散投資に至る合理的な理由

そこで大事なのは今ある世界経済の構造だ。とりわけ21世紀に入り、経済活動は地球規模で一体化が進んだ。平和な時代が定着し、ヒトやモノが国境や地域を越えて自由に移動し、インターネットの普及で情報も迅速に駆け回るようになったよね。

貿易をベースとした経済活動が自在に世界中を往来する――こうしたグローバル構造の世界経済では、先進地域の経済と発展途上地域のそれが相互に融通し合いながら地球全体に豊かさが広がっていくという循環が機能して、安定成長軌道が構築されてきたわけなんだ。国際分散投資はそうした世界経済全体の成長を長期運用成果として取り込む合理的手段として有効であり、次回以降その具体的投資方法を解説していこう。

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。
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