【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)が15日公表した世界の財政報告書によると、2020年の世界の財政赤字は前年から2.7倍と大幅に膨らみそうだ。新型コロナウイルス対策で各国政府が支出を大幅に増やすためだ。赤字幅は国内総生産(GDP)比で9.9%となり、金融危機直後の09年(7%)を上回って悪化する。米国は過去最大の3兆ドル規模に達する見通しだ。
世界のGDPは約90兆ドルで、20年の財政赤字は9兆ドル(約960兆円)規模となる計算だ。GDP比でみれば、19年の3.7%から2.7倍も膨らむ。日本も108兆円の経済対策をまとめたが、財政赤字は19年の2.8%から7.1%へと悪化。債務残高は同250%を突破する見通しだ。
2兆ドルの経済対策を決めた米国はさらに財政が悪化する。20年の財政赤字はGDP比で15.4%と、前年(5.8%)から大幅に増大。金額ベースでは過去最大の3兆ドル規模になりそうだ。赤字幅は09年(GDP比12.9%)を超え、金額でも同年(1.4兆ドル)の2倍となる。財政規律を重視するユーロ圏でも、赤字幅は前年の0.7%から7.5%へ悪化する。
新型コロナで「世界大恐慌以来の大幅な景気後退」(IMF)が予想され、各国は8兆ドルの財政出動で医療対策や雇用対策を急ぐ。ただ、財政悪化は景気後退で税収そのものが減る影響も大きい。IMFは20年の世界の成長率がマイナス3%に転落するとみるが、各国の政府歳入も2.5%減少すると分析する。
民間投資の積み増しは当面見込めず、医療・保健体制の整備や景気の底割れ回避へ公的支出は不可欠だ。日米欧とも国債利回りは過去最低の0%近辺にあり、財政支出に強い逆風が吹いているわけでもない。
ただ、米国では既に1~2兆ドル規模の追加対策の協議が始まるなど、各国の財政出動はさらに膨らみそうだ。IMFは新型コロナの感染拡大が止まらなければ、世界は2年連続のマイナス成長に落ち込むリスクもあると指摘。歳出・歳入とも、一段と悪化する懸念が拭えない。
先進国の政府債務残高は、1990年代初頭にはGDP比で55%にすぎなかった。それが20年には122%まで増大するとIMFは予測し、政府財政は歴史的な水準に膨張する。新型コロナ収束後の国際経済は、過大債務や経常収支の不均衡といったリスクと向き合う必要がある。
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April 15, 2020 at 07:30PM
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世界の財政赤字2.7倍に 米国は過去最大の3兆ドル - 日本経済新聞
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