![JAPAN-CHINA-HEALTH-VIRUS](https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iot_j.VIFdWk/v0/100x-1.jpg)
Photographer: BEHROUZ MEHRI/AFP
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中国は日本の主要貿易相手国であり、観光収入源であるだけに、同国での新型コロナウイルス感染拡大は、必然的に日本経済を圧迫することになる。メインシナリオでは経済成長はわずかな減速にとどまるが、最悪のシナリオではマイナス成長に陥ると予想する。
その影響は明らかに感染拡大の深刻度と期間に左右される。 17年前に起きた重症急性呼吸器症候群(SARS)の打撃は強力だったが、短期間にとどまった。観光産業の不振が主な経路だった。今回、SARSより危機が長引けば、輸出と投資への波及リスクは高まる。
- 3つのシナリオを検討する。1つ目は日本経済への影響がSARS流行の半分程度。次にSARSと同程度の影響で、第1四半期がピークとなる場合。 3番目はSARSと同程度の影響が第3四半期までずれ込むケースだ
- メインシナリオでは、国内総生産(GDP)伸び率は0.1ポイント低下する。第2の悲観ケースでは0.2ポイント、そして最悪のケースの3番目では0.5ポイントの低下を見込む
- 新型ウイルスが発生する前は、2020年の成長率を前年比0.3%と予測していた。今回われわれの分析では、危機の深刻度に応じて0.2%のプラス成長から約0.2%のマイナス成長まで予想され、不確実性が増していることが示された
- 現段階では最初のシナリオが最も可能性が高いとみるが、より深刻なシナリオに傾くリスクは高まりつつある
3つの経済成長シナリオ-長期の感染拡大は景気後退リスクを高める
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(出所)ブルームバーグ・エコノミクス、内閣府
コロナウイルスに関するグローバル経済の分析(英語版)はこちらをご覧ください
日本経済への最終的な影響を予測することは依然困難だ。中国の混乱の程度と、経済がどれだけ早く回復できるかについて、不確実性が大きいためだ。日本の政策対応は、景気の先行きについてのもう一つの不確実性要素となる。
- 安全資産への需要を高める中国経済への大打撃によって、円高に振れる可能性がある。これは、日本の成長とインフレにさらなる下振れリスクをもたらし、潜在的には、日本銀行に対応策の検討を促すことになる
- 日本政府は既に、今年の財政刺激策を公表している。中国のウイルス危機がどのように進展するかに応じて、さらに追加圧力が高まる可能性がある
- ウイルス感染の拡大とそれを封じ込めようとする努力によって人々の活動と貿易が制限されている場合、従来型の景気刺激策はあまり効果的ではないとみられる。そのため、実質的に追加刺激策はウイルスが封じ込められた後に発動せざるを得ない。財政資金投入に対する景気拡大効果はその方が高くなるだろう。しかし、刺激策発動の遅延は、近い将来の成長に対する大きな下振れリスクを意味する
日本の経常収支
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(出所)財務省、ブルームバーグ・エコノミクス
メインシナリオでは、経済への影響は、訪日中国人観光客の減少により、主としてサービス貿易の経路を通じてのみ表れる。
- 日本のサービス収支(観光を含む)は、1986年以降のデータで初めて2019年に黒字に転じた
- 新型ウイルスによる短期的な混乱は、日本の旅行収入を徐々に削る可能性がある
- 財(モノ)の輸出は軽度の悪影響を受ける可能性があるが、旅行収入への影響よりは軽微とみられる。一方、輸入も減少することによって、GDP成長率への影響は一部相殺される
- 債券および株式への海外投資からの収益を含む第1次所得の黒字は、足元では大きな影響を受けないだろう。同所得の黒字は、現在の経常収支黒字の大部分を占める。
訪日外国人観光客-現在とSARS時の比較
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(出所)日本政府観光局(JNTO)、ブルームバーグ・エコノミクス
2番目の悲観シナリオでは、中国の経済成長に一時的にブレーキがかかることを想定し、 第1四半期の成長率が前年比4.5%に低下するとの前提を置く。
- 03年のSARS時は、訪日外国人観光客数の減少は1四半期の間、全体の4分の1が減少するにとどまった
- 日本の製造業の企業は、一般的に数カ月程度の海外調達部品の在庫を持っているとみられ、一時的な調達不足に対する緩衝材となる
- 第1四半期の減速後に中国の成長が回復すると仮定すると、繰り越し需要は第3四半期での日本の輸出を支え、20年全体の影響は限定的となる
最悪のシナリオでは、第1四半期と第2四半期の両方で、中国の成長率が4.5%にとどまると仮定し、日本経済に大きな損害を与える。
- 弱い中国からの需要は、日本の輸出と設備投資を大きく減少させる
- 中国からの訪問者の減少は、東京オリンピックが開催される7月と8月まで続く
- 訪日中国人観光客の長引く不振は、家計と企業のセンチメントを押し下げ、消費と投資に悪影響が及ぶ。懸念の兆候は既に内閣府公表の景気ウオッチャー調査に表れている
訪日外国人観光客数-3つのシナリオ
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(出所)ブルームバーグ・エコノミクス、日本政府観光局(JNTO)
3つのシナリオの詳細な結果:
シナリオ1-メインシナリオ
- 新型ウイルスの混乱は、主に訪日外国人観光客の減少により、20年にGDP成長率を0.1ポイント減少させる
- 訪日外国人観光客は19年に前年比2.2%増加した後、20年には0.4%減少し、11年以来初めて前年比で減少する
- このシナリオでは、日本の旅行収入はGDPの0.85%であり、19年の推計値0.90%から減少している
シナリオ2-より深刻
- この場合新型ウイルスの混乱により、20年の成長率が0.2ポイント低下する(旅行収入で0.1ポイント、財輸出で0.1ポイント)
- 訪日外国人観光客は20年に4.9%減少する
- 旅行収入は、20年にはGDPの0.8%とより低くなる
シナリオ3-拡大危機
- この場合、新型ウイルスの混乱により、20年には0.5ポイント(旅行収入で0.2ポイント、輸出および企業投資では0.3ポイント)成長率が低下する
- 訪日外国人観光客は20年に17.4%減少する
- 旅行収入は20年にGDPの0.7%まで低下する
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February 13, 2020 at 02:08PM
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