【イスタンブール=木寺もも子】トルコ軍がシリア北東部で展開する軍事作戦に対し、シリアのクルド人勢力は13日、アサド政権軍と対トルコで協力することで合意したと発表した。シリア国営通信によると、政権軍は北部のトルコ国境沿いへ進軍した。政権軍の関与で、シリア情勢は一段と混迷を深めそうだ。
ロイター通信によると、クルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」とアサド政権軍の協議はシリア北西部ラタキアのロシア軍基地で行われた。ロシアはアサド政権の後ろ盾で、トルコ、SDF、政権側3者の仲介役を買って出る可能性がある。
首都ダマスカスに拠点を置くアサド政権はシリア内戦で主要地域での戦闘に注力するため、2012年に北東部から撤退し、SDFなどに同地域を明け渡す格好になった。SDFとは距離を置きつつ、時として接近していた。
一方、これまでSDFと協力関係にあった米国は12日、トルコ軍の侵攻からの安全確保のため、シリア北東部に駐留する米兵1000人に撤収指示を出した。シリア自体から撤収するかどうかは明らかにしていない。
9日に軍事作戦を開始したトルコ軍はこれまでに、国境沿いの要衝であるテルアビヤド、ラス・アルアインを制圧したとしている。国連によると、13万人以上が避難を余儀なくされている。
2019-10-14 08:46:57Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50966800U9A011C1I00000/
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