【ソウル=桜井紀雄】エスパー米国防長官は9日の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領らとの会談で、日米韓の安全保障協力の重要性を強調したが、韓国側が破棄をちらつかせる日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長を強くは迫らなかった。韓国側は米国を日韓対立の仲裁役に引き込むため、更新の判断期限を迎える24日までGSOMIA破棄をカードとして温存する構えのようだ。
エスパー氏は文氏との会談で、7月の就任後初の歴訪地にインド太平洋地域を選んだことについて「この地域の平和と安定、繁栄のメッセージを送りたかったため」だと語った。日本との対立を長引かせ、地域の安定を脅かすなとのメッセージと読み取れる。
エスパー氏は7日、日本での安倍晋三首相との会談でGSOMIAを「日米韓共同防衛の鍵だ」とし「維持を心の底から願う」と述べた。韓国側に「延長せよ」と無理強いしなかったのは、日韓対立に巻き込まれたり、日本の肩を持っているとの印象を与えたりするのを避けたとみられる。
韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は2日、日本の輸出管理厳格化措置をめぐって「われわれへの信頼欠如と安保上の問題を提起する国と敏感な軍事情報共有を維持するのが正しいかを含め、総合的な対応措置を取る」と述べた。別の大統領府高官は9日、GSOMIAについて「さまざまな要素を考慮する必要がある」とし、まだ何も決定していないと説明した。
2019-08-09 11:15:00Z
https://www.sankei.com/world/news/190809/wor1908090034-n1.html
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