旬の魚を存分に味わう方法を、“魚の伝道士”上田勝彦さんが伝授!
今回は、“ぶり” です。『西の鰤(ぶり)・東の鮭(さけ)』といって、年越しには欠かせない魚。昔からさまざまな郷土料理がありますが、中でもウエカツさんオススメの2品をご紹介します。
ひとつは、長崎の郷土料理『ぶりのさしがみ』。すき焼きのような甘辛いだしの中に、“ぶりを差し入れて噛む(かむ)”という鍋。かつて漁師をしていたウエカツさんがよく食べていた思い出の味です。
もうひと品は、ぶりとカブを使った金沢の伝統料理『かぶら寿司(ずし)』をヒントにした『ぶりのかぶら和え(あえ)』。お正月料理にもオススメのレシピです。
まずは下ごしらえ!このひと手間で“ぶり”がおいしく!
ぶりは血に臭みがあるため、刺身用でも加熱用でも、買ってきたら下ごしらえをしておくと、断然おいしくなるよ!
【ぶりの下ごしらえ】
(1)水でさっと洗い流す 「ウエカツ流!流水3秒洗い」
(2)水気をしっかりふき取る
(3)水で身が少しふやけるため、塩をたっぷり振りかけて脱水し、洗って水気を拭き取る
長崎・野母崎半島の郷土料理 『ぶりのさしがみ』
僕は20代の頃、長崎で漁師をしていました。その時によく食べたのがこの『ぶりのさしがみ』。
水は一切使わず、酒としょうゆと砂糖だけで作るだしの中に、厚めに切ったぶりを“差し”入れて“噛む”。
冬はこれだね!
【ぶりのさしがみ】
<材料>※分量はお好みです
・ぶり(刺身用)
・たまねぎ
・白菜
・酒
・しょうゆ
・砂糖
・赤とうがらし
<作り方>
(1)ぶりを1cmほどの厚切りにする
(2)たまねぎを半分に切って繊維を断ち切るように切る
白菜は食べやすい大きさにざく切りにしておく
(3)鍋に、酒・しょうゆ・砂糖・赤とうがらしを入れる
※砂糖をたっぷり入れて、甘辛い煮つけぐらいの味付けにするのが特徴です!
(4)(3)を煮立たせてアルコールを飛ばす
(5)ぶり・たまねぎ・白菜を入れ、お好みの時間、火を通していただく
さしがみにするなら、ぶりは脂ののった腹側がオススメ!
だしは、ちょっと甘すぎるかも?と思うくらいがちょうどいいよ!
ぜひ、試してみてね!
ウエカツさん、言葉が出ないほどおいしいです!!
この甘辛いだしが、ぶりのうまみをさらに引き立てますね!寒い冬にぴったり!
金沢の伝統料理をウエカツ流にアレンジ! 『ぶりのかぶら和え』
金沢伝統の『かぶら寿司』といえば、塩漬けしたカブとぶりを、麹(こうじ)などでしっかり漬け込む発酵食品。
普通に作ったら1か月近くかかるところを、わずか1時間足らずで作っちゃいましょう!
【ぶりのかぶら和え】
<材料>※分量はお好みです
・ぶり(刺身用)
・カブ
・干し柿
・酢
・あら塩
・赤とうがらし
<作り方>
(1)ぶりを食感が残る程度の薄さ(5mmほど)に切る
(2)(1)にたっぷりの塩をまぶして、20分ほど漬けておく
(3)20分たったら、ぶりを水洗いして水気を拭き取る
(4)カブはスライスして半分に切り、塩(1つまみ分)を混ぜて水気を切っておく
(5)ぶり・カブ・赤とうがらし(輪切り)を合わせ、たっぷりの酢を加えて15分ほど漬け込む
(6)(5)をやさしく絞って水気を切ったら、最後に細かく刻んだ干し柿で甘さを調節してできあがり
私は金沢に住んでいたので、かぶら寿司が大好き!
ウエカツ流の「かぶら和え」で、気分は金沢です♪
こんなに簡単においしく作れて驚きました!
塩気と酸味・甘み・辛みのバランスがとってもいいひと品。
柿の甘さでほっとするんだよね。
お正月料理にもオススメです。ぜひ、作ってみてね!
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