政府の経済対策の規模が財政支出ベースで55.7兆円程度となったと日本経済新聞が18日 報じた。民間資金を加えた事業規模は78.9兆円という。
- 国の支出分である国費だけで43.7兆円
- 21年度補正予算案には31.9兆円を計上
- 22年度当初予算案にも5兆円の予備費
- 分配政策の目玉として家計や企業向けの給付が膨らんだ
19日に閣議決定し、年内に補正予算を成立させる。財政支出は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年4月に決定した緊急経済対策の48.4兆円を上回り、過去最大規模となる。18歳以下への10万円相当の支給や中小事業者への給付金、原油高に苦しむ関係業界への支援策を盛り込む。
財政支出は過去最大規模
経済対策
出所:内閣府
経済対策の規模を巡っては、日経新聞電子版が12日に財政支出ベースで40兆円超に膨らむ見通しになったと 報じていた。産経新聞は35兆円前後で検討と報じていた。
日経の報道を受け、東京株式相場は引けにかけて急速に下げ幅を縮小し、プラス圏に浮上する場面もあった。国債増発懸念から債券相場は下落(長期金利は上昇)した。
日本株:急速に下げ縮小、財政支出55.7兆円報道-債券下落、円小幅安
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、報道された財政支出は想定より大規模で「債券市場では財政悪化を懸念せざるを得ず、動揺する可能性がある」と指摘。「もう一段先を見れば、日本円に対する信用度の低下で円安につながるリスクがある」と電話取材で語った。
UBS証券の足立正道チーフエコノミストは、18歳以下の子供への10万円相当の給付について、「消費に回る部分は限定的と考えられるため、財政による景気の押し上げ効果は限られる」と指摘。経済対策の事業規模は40兆円ぐらいと言われていたのに比べると驚きだが、「GDPの見通しが大きく変わることはない」と述べた。
回復の道のり遠く
成長を再度軌道に乗せるための経済対策に期待
出所:内閣府
岸田文雄首相は10日の会見で「来週中に数十兆円規模の経済対策を取りまとめる。年内できるだけ早期に補正予算を成立させ、国民の皆さんに一刻も早く届ける」と語っていた。
一方、自民党の木原稔政調副会長は17日の政調全体会議後、「財政出動型の経済対策をおおむね評価はするものの、財政再建に向けてそろそろ地ならしもしていくべきという意見も複数出た」と記者団に話した。
日本のコロナ禍からの回復は道半ばで、7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で3.0%減と、2四半期ぶりにマイナスに転じた。米国(前期比年率2.0%増)や中国(前年同期比4.9%増)に比べて遅れが際立つ。
(更新前の記事はチャート内の新たな経済対策の時期を訂正済みです)
(補正予算についての詳細を追加します)
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