池上彰×山形浩生「教養としての経済学」対談
日本だけでなくバイデンやトランプの経済政策の背景を理解するうえでも、ケインズ理論の考え方は重要です(撮影:尾形文繁)
「社会科学史上で最も影響力のある世界的名著」と名高いケインズの『雇用、利子、お金の一般理論』。その入門書である『超訳 ケインズ「一般理論」』(山形浩生[編・訳・解説])を読んだジャーナリストの池上彰氏は、「現代に生きる人間として、ケインズ理論は、‟これぐらいは知っておくべき教養のひとつ”」と話します。
今回は、前回に引き続き、「経済ニュースを理解するうえで、ケインズ「一般理論」を知っておくべき理由」について、池上氏と山形氏との対談をお届けします。
よみがえったケインズ
山形浩生(以下、山形):リーマンショックでケインズの見直しが明らかにあって、ケインズをもう一度読んでみようという流れができています。
マルクスほど極端ではなく、大体このぐらいでまとめよう、政府に頼ろうという話ですから、マルクスほど一般受けはしませんが、関心は高まっていますね。
池上彰(以下、池上):『週刊東洋経済』でも「マルクスvs.ケインズ」という特集がありましたね。
さらに付け加えると、アメリカの共和党は、本来は、小さな政府のはずだったのに、トランプ政権でばらまきをやったわけです。これはまさにケインズ政策ですよね。
本来は共和党が反対する政策なのに、結果的にアメリカも大きな政府になっていきました。ケインズがよみがえった感じがしますよね。
山形:そうですね。トランプは発言と政策とが少しずれているので誤解されやすいのですが、実際は減税もしたし、ケインズのような政策です。
すると、いままでどんどん公共投資しろと言っていたはずのローレンス・サマーズが反対しはじめて、「地獄の釜の蓋を開いたぞ」なんて言い出してもいました(笑)。
池上:行き過ぎを警戒したのでしょう。
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