中国は今年の国内総生産(GDP)成長率目標を6%超に設定した。エコノミスト予想を下回る保守的な成長目標を掲げた。5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強首相が発表した。
李首相は全人代冒頭の政府活動報告で、2021年の財政赤字を対GDP比で3.2%とする計画も示した。アナリストの多くは3%と見込んでいたことから、今年の景気を支えるため政府が引き続き財政政策の強化を必要としていることを示唆した。前年は3.6%だった。
李首相は「中国は21年に発展する中で多くのリスクや課題に引き続き直面するだろうが、長期的な成長を支える経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は変わらない」と語り、「6%超の目標は改革とイノベーション(技術革新)、質の高い発展の促進にわれわれ全員が全てのエネルギーを注ぐことを可能にする」と説明した。
全人代で示された目標 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|
GDP成長率 | - | 6%超 |
消費者物価指数(CPI)上昇率 | 3.5%前後 | 3%前後 |
財政赤字(対GDP比) | 3.6%超 | 3.2%前後 |
特別地方債枠 | 3兆7500億元 | 3兆6500億元 |
コロナ対策特別国債発行枠 | 1兆元 | - |
都市部の新規雇用創出 | 900万人超 | 1100万人超 |
失業率(調査ベース) | 6%前後 | 5.5%前後 |
政府活動報告での他の主な点は以下の通り。
- 金融政策は穏健、財政政策は積極的に
- 人民元は基本的に適正な水準に安定維持される
- マクロのレバレッジ比率は基本的に安定維持
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に見舞われた昨年、中国は主要国として唯一、プラスの経済成長を達成した。エコノミスト調査では、低迷した20年からの反動などで今年の中国経済は8.4%成長を遂げると予想されている。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏担当チーフエコノミスト、楊宇霆氏(香港在勤)は「非常に保守的なトーンだ」と述べた。
5日の中国株式市場では、CSI300指数が一時2%を超える値下がりとなった。
原題: China Sets GDP Growth Target Above 6% as Recovery Takes Hold (1)、 China Sets Conservative Economic Growth Target of Above 6% (2)(抜粋)
(詳細を追加して更新します)
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