財務省が２１日発表した２０２０年の貿易統計（速報）によると、全体の輸出額は前年比１１・１％減の６８兆４０６７億円、輸入額は１３・８％減の６７兆７３２０億円で、ともに大幅に減少した。新型コロナウイルスの感染拡大で世界の経済活動が落ち込んだためだ。
全体の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、６７４７億円の黒字となった。黒字は３年ぶり。
輸出は、リーマン・ショックの影響を受けた０９年（３３・１％減）以来の減少幅となった。米国向けを中心とした自動車（２０％減）や自動車部品（１９・１％減）の落ち込みが目立った。
輸入の落ち込みは、経済活動の縮小に加えて原油価格の下落が大きな理由だ。主にサウジアラビアの原粗油（４１・７％減）やオーストラリアなどの石炭（３２・７％減）が大幅に減った。
国・地域別では、米国向け輸出は１７・３％減の１２兆６１２５億円、輸入も１４％減の７兆４２６６億円で、ともに２年連続で減少した。これに対し、経済活動がいち早く本格再開した対中国では、輸出が２・７％増の１５兆８２９億円と２年ぶりに増えた。輸入は５・３％減の１７兆４７６６億円と２年連続で減少した。
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