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Monday, October 19, 2020

財務省財政審/不調の主因は人手不足にあらず/予算抑制根拠に疑問/課題の主眼は処遇改善コスト - 日刊建設通信新聞

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地方の中小建設業界の関心は働き方改革だ。このため、過去のような、赤字でも受注する傾向はあまり見られず、入札不調・不落の原因は積算にあると指摘されている

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関、財政審)の2021年度予算編成へ向けた動きが加速している。19日には財政審の財政制度分科会歳出改革部会が、「社会資本整備」をテーマに会合を開いた。財政規律を重視する財務省や各委員は、新型コロナウイルス感染拡大対応で、今年度の補正予算後の一般会計歳出額が前年度の101兆円から160兆円超まで急増していることに危機感を募らせる。一方でこれまでの財政当局の論調を踏まえると、人手不足や入札の不調・不落が発生する建設産業の状況について誤解を招く可能性もある。 =関連2面 19日の財政審部会会合で示された「社会資本整備」資料で気になる点が「今後の社会資本整備の基本的方向性」で、「足元の建設労働需給ひっ迫」を建設業が生産性向上を必要としている理由と示したことだ。「人手不足」という言葉はこれまでも予算抑制の理由として使われてきたが、その都度、日本建設業連合会を始めとする代表的団体の首脳が「“足元”の人手不足」の指摘を否定してきた。
 財政審部会が「足元の労働需給ひっ迫」の根拠としていると思われるのが、高い水準で推移している職業別有効求人倍率や、建設業景況調査で建設業経営の問題点として「人手不足」と「従業員の高齢化」が回答の半数以上を占めたことなどがある。エビデンスの1つとして、労賃の上昇も示している。
 ただ、職業別有効求人倍率はもともと、「とりあえず募集を続けている」(専門工事業経営者)という企業が多いなど、倍率が高めに出る傾向が強い。また景況調査の「経営上の問題点」として挙がる「人手不足」は、“足元”の「人員不足」だけを念頭に置いているものではない。そもそもこの調査は、公共工事の元請企業が対象。中小企業の元請けとして、自社内だけではない技能労働者全体の処遇改善によって労賃が上がり、従来想定していたコストを上回って結果的に経営悪化を招きかねないという不安感を抱く構図だ。
 また人材不足とセットで指摘されることが多い、入札の不調・不落問題も人材不足とは関係ない理由で発生していることも多い。15日、岩手県内で開かれた「全中建 全国ブロック別意見交換会」に出席した業界関係者は国土交通省にこうかみついた。「不調・不落は手が足りない(人手不足)からじゃない。実勢価格と乖離(かいり)しているからだ。儲かるなら人をかき集めてでも応札する」。赤字になっても発注者のお付き合いで受注するという経営環境ではもはやない。
 過去には大手・準大手企業が受注する民間建築市場の拡大に連動する形での見積額上昇に民間発注者が懸念を示すこともあった。ただ、こちらも建築着工床面積自体は減少傾向が続いており、施工量が価格の上昇圧力になっているわけではない。
 こうしたことを総合すると、建設産業界の供給力は足元で問題はないものの、24年4月から適用される時間外労働の上限規制、処遇改善などによるコストアップを業務効率やIT化などの生産性向上でどう吸収するかという課題に直面しているのは確実のようだ。

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October 20, 2020 at 04:01AM
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