選挙後は民主党内で急進左派の発言力高まる
バイデン政権下で経済政策も左傾化が進むのか(写真:REUTERS/Leah Millis)
レイバーデー(労働者の日:今年は9月7日)を過ぎた頃から、アメリカ国民は11月の大統領選に注目するようになると伝統的に言われる。選挙戦は最終局面に入った。トランプ大統領は8月末の党大会後も劣勢が続いており、このままでは1期限りで退陣に追い込まれかねない。現職大統領苦戦の背景は、今では大統領選が国民の大半が批判的なコロナ対策についての信任投票と化しているためである。
ファイブサーティエイトの世論調査平均値(9月8日時点)によると国民の56%が大統領のコロナ対策を支持していない。したがって共和党は党大会以降、あたかもコロナ問題をすでに過ぎ去ったことのように扱い、国民がジョー・バイデン前副大統領とトランプ大統領の両候補の政策比較に基づき投票するかのような構図にすり替えようとしている。
トランプへの対抗上、団結を示す民主党
直近ではオレゴン州ポートランドやウィスコンシン州ケノーシャで起きた人種差別への抗議デモの暴徒化に対し、トランプ大統領と共和党は「法と秩序」を訴え、デモはトランプ政権が悪化させている要素もあるにもかかわらず、デモ参加者を極左と称し地元の民主党出身の政治家にすべて責任転嫁している。
2024年大統領選における有力な共和党大統領候補とされるニッキー・ヘイリー前国連大使は、共和党全国大会で「前回、バイデン氏の上司はオバマ大統領であった。だが、今度の上司はナンシー・ペロシ下院議長、バーニー・サンダース上院議員、そしてスクワッド(急進左派の民主党女性下院議員4人)になる」と述べた。トランプ大統領も指名受諾演説で「バイデン氏は社会主義のトロイの木馬だ」と訴えた。穏健派のバイデン氏が実は急進左派をはじめ極左の操り人形であると、トランプ大統領や共和党は訴えているわけだ。
それは極端な描写ではあるが、バイデン氏が党内で勢いがある急進左派に押されて政策を左にシフトしつつあることは事実である。当選後もその傾向が続くことは避けられないであろう。
民主党全国大会で民主党はバイデン氏の人柄に焦点を当て、同党が一枚岩であることをアピールし、政策は詳細まで示さなかった。だが、トランプ大統領という共通の脅威によって現時点では団結しているように見えるものの、民主党内には急進左派と穏健派の2つの相容れない思想が混在し、政策は多様であり、いつその連携が崩れてもおかしくない。
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September 14, 2020 at 04:10AM
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