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Thursday, August 6, 2020

インタビュー:日銀はMMT実践中、タガはずれた財政 アクセル全開に懸念=吉川立正大学長 - ロイター

[東京 6日 ロイター] - 吉川洋・立正大学学長は6日、ロイターとのインタビューで、新型コロナ感染症対策における財政出動の方向性は間違っていないものの、内容や拡大の度合いをみると、すでにタガがはずれつつあると指摘。今後、コロナ対応に加えて国土強靭化等一段とアクセル全開状態に突入していく危険性に警鐘を鳴らした。背景には日銀による財政ファイナンスがあり、金融政策は現在「MMT理論」を実践中だとの見方を示した。

<巨額の金融措置、リスクは国民の税金に>

政府によるコロナ対策は相当な財政拡大をもたらしているが、吉川氏は財政出動の方向性自体は、グローバルに一斉に対応をとっており、間違っていない」としたが、総額200兆円を上回る規模感や対策内容には「いろいろと問題がある」と指摘。

最近でいえばGoToトラベルがやるべき対策ではないことは言うまでもなく、10兆円の巨額の予備費計上は「財政民主主義の1丁目1番地である国会審議を無視するもの」と批判した。

また「無利子無担保融資」の制度は、今回使い勝手をよくするために初めて民間金融機関を通じて実施されているが、5、6月の2カ月間だけでも信用保証会保証額(融資額)が10兆円を超え、大規模な公的融資となっている。

これについて吉川氏は90年代の金融危機時と同様に、企業のモラルハザードを招きかねないとみている。

「公的資金による融資だけに、むやみな融資の貸し倒れリスクは、民間銀行ではなく政府が負う。つまりは国民の税金でリスクを負っていることになる」と指摘。融資すべき対象は、「本来は、一時的な資金繰り困難に陥っている将来性ある企業に限定して行うべき」とした。

国民への10万円給付も、急ぎ給付する必要から「一律」としたものであることを考慮すれば、数か月を経過した現在、真に困窮している世帯を対象とした給付となるよう、基準作成が終わっていてしかるべき時期だと指摘。「もし同じような一律給付が2度あるようならそれは国の無策を露呈することになる」との見方を示した。

<日銀の財政ファイナンス、コロナに加えて国土強靭化も>

財政拡大にプラスの状況を作り出しているのが長期金利の低位維持に貢献している金融政策だ。吉川氏は「金融政策はまさに財政ファイナンス状態にあり、MMT理論を実践している状態」との見方を示す。MMT理論は、財政を拡張しても自国通貨を発行する政府においてデフォルト(債務不履行)に陥ることはないとするもので、政府債務残高の拡大に問題はないという理論だ。

しかしコロナ禍の影響で税収は今後1-2年は回復しない見通しであり、歳出は逆に膨張を余儀なくされる環境となる可能性が高い。

例えば、「MMT理論が実践されている中では、コロナ対策に限らず、従来からの政策の目玉でもある国土強靭化の恒久化を求める政治的な動きが、今また強まっているようだ」と吉川教授は指摘。

こうした動きも踏まえ、「もともとGDPの2倍もの公的債務残高を抱える日本においては、債務膨張には非常に気を付ける必要がある」とみている。「長期金利は日銀の国債購入で当面は上がらないにしても、国債の格付け引き下げは、むしろ民間銀行の格付けに影響し、ドル調達コストに影響することになる」と警鐘を鳴らす。

中川泉 編集:石田仁志

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August 06, 2020 at 02:53PM
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