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Sunday, July 5, 2020

新型コロナ・五輪……小池都政2期目、有権者の願いは - 日本経済新聞

当選を決め、関係者から花束を受け取る小池百合子氏(左)=5日、東京都新宿区

当選を決め、関係者から花束を受け取る小池百合子氏(左)=5日、東京都新宿区

東京都知事選で再選された小池百合子氏の2期目が始まる。新型コロナウイルスの感染対策と経済活動の両立、異例の簡素化を図る来年の東京五輪・パラリンピックへの対応など、難局のかじ取りを担っていくことになる。有権者は小池都政に何を求めるのか。

都内では新型コロナの新規感染者が4日連続で100人を超え、再拡大への懸念がくすぶる。

喫茶店を営む渋谷区の自営業男性(56)は「感染を抑え込み、収束時期の具体的な目標を示してほしい」と願う。6月に営業を再開したばかり。アルコール消毒を徹底し客との会話も控えるよう努めているが、客足は感染拡大前の半分ほどしか戻っていない。少しでも混んでいると、店の入り口で帰ってしまう客もいる。「終わりが見えないのが一番つらい」

IT(情報技術)企業で事務を担当する新宿区の男性会社員(25)は4~5月の緊急事態宣言下で週1日だった出社日が4日に戻った。通勤電車の混雑も戻ってきており、「感染リスクと二重のストレスを感じる」とテレワークの一層の推進を求める。

「新型コロナ以外の病気を抱える高齢者にも目を向け、支援の手を差し伸べて」と話すのは杉並区の主婦(72)だ。

認知症と肺の病気を抱える夫(80)と2人暮らし。新型コロナの感染が急拡大した今春は、かかりつけの病院が外来を縮小するなどし、自身の足や腰に不調を覚えても病院に行かない日々が2カ月続いた。感染を防ぐため千葉に住む娘も手伝いに来られなくなり、1人で介護や買い物、家事に追われていたという。「自分の体調も気にしながら夫の世話をするのは大変だった」と振り返る。

来年7~9月に延期となった東京五輪・パラリンピック。小池氏は開催都市のトップとして、大会組織委員会などと連携して前例のない簡素化した大会の実現という難題に挑む。

渋谷区の20代男性会社員は「新しい五輪の形を世界に向けて提案してもらいたい」と小池氏の発信力に期待を寄せる。一方で新型コロナの収束が見通せない中、開催すること自体を疑問視する意見も根強い。

出版業界で働く東京都世田谷区の男性(38)は「中止の検討も仕方ない。新型コロナにより経済効果が見込めるかも不透明で、盛り上がるか疑問だ」と話す。新型コロナの影響は自身の勤務先にも及び、社内ではリストラの噂が飛び交う。「大会延期に伴う追加費用を支払う余裕があるなら、医療や失業者の対策に回すべきだ」と注文を付けた。

外資系メーカーに勤める女性会社員(40)は「中止でも延期でもいいが、早く判断してほしい」と訴える。「五輪期間の輸出入をどうするか調整が難しい。無理に開催を目指さなくても、この状況なら都民の理解は得られるのでは」と話した。

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