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Wednesday, June 10, 2020

新型コロナ:FRB議長「力強く積極的に経済支える」冒頭発言要旨 - 日本経済新聞

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日、米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記者会見した。冒頭発言の要旨は以下の通り。

FRBは22年末までゼロ金利を維持する=ロイター

FRBは22年末までゼロ金利を維持する=ロイター

我が国は引き続きパンデミック(世界的な大流行)による困難かつ試練のときを迎えている。将来に関して大きな不透明感が漂う。FRBはあらゆる手段を強く講じる。経済への打撃を最小限に抑え、回復をできる限り力強いものにするため、安心と安定を提供する。

新型コロナウイルスとその封じ込めのための手段は経済活動を急減速させ、失業者は急増し、4月の消費や生産の指標を急速に悪化させた。4~6月期の実質国内総生産(GDP)は最も厳しい記録的な落ち込みとなりそうだ。

予想に反して5月の雇用統計は改善したが、2月以降で2000万人近くの職が失われた。失業率は(2月以降)10ポイント近く上がり13.3%となった。ただ(理由不明の)求職者の存在で(5月の)失業率が過少に見積もられている可能性がある。

経済の悪化は全ての人に平等にのしかかっているわけではなく、重荷を背負うのが最も難しそうな人が最も大きな影響を受けている。失業者の増加は特に低所得層や女性、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系の働き手にとって厳しい。

ここ数週間で小売りや自動車販売などいくつかの指標は経済の緩やかな回復を示唆した。5月には一時帰休から職場に戻ったことも失業者の減少につながった。社会的距離を取る制限が緩められ、人々はより動き、多くの企業は様々な段階で活動を再開している。同時に多くの家計は政府の経済対策による支給と失業保険を受け取り、収入と消費を助けた。

だが経済全体が生み出す付加価値は(新型コロナ)以前の水準をはるかに下回る水準にある。失業率は歴史的な高水準にあり、需要の弱さが消費者物価を低下させる。結果的に物価上昇率は我々の目標の2%をはるかに下回っている。

経済活動の停滞の長さと回復の速さは極めて不透明だ。ウイルスの封じ込めに成功するかどうかに大部分が依存している。我々は皆通常の状態に戻りたいが、完全な回復は人々が様々な範囲の活動に復帰する上で安全だと確信を持てるまで生じないだろう。経済の落ち込みの深刻度は、公衆衛生の危機が去ったときに、回復を促すための政府の政策にも依存する。FRBは米国人のための最大雇用と物価安定という目標を、金融市場の安定とともに導く。

我々はあらゆる手段を使ってこの試練のときに経済を支える。3月には素早く政策金利をゼロ近辺に引き下げた。経済の視界が晴れたと確信が持てるまで維持する。信用の流れを支えるための幅広く力強い手段もとってきた。信用の流れが止まれば、人は家を失い、企業は事業を縮小するか撤退し、大量の失業者と収入減をもたらし、景気後退を悪化させる恐れがある。

信用取引の維持は経済への悪影響を最小限に抑え、回復を促す上で不可欠だ。3月以降、我々は相当な量の米国債を購入し、住宅ローン担保証券(MBS)を購入し、市場の円滑な機能を支えてきた。市場機能の改善に伴い、我々は国債購入量を徐々に減らした。我々は今後数カ月にわたって、少なくとも現状のペースでの購入を続ける。

我々は注意深く進展を見守り、我々の目標を達成するために適切に計画を調整する。家計や企業を直接支援するプログラムも実施している。極めて異常な環境下で可能になる緊急の融資能力の拡大だ。前例のない水準に資金供給量を増やせているのは、議会や米財務省の支援によるところが大きい。経済がしっかり回復軌道に乗ったと確信が持てるまで、力強く、先回りして、積極的に我々の力を使い続ける。危機が去った後は、緊急対応の施策は道具箱に戻すだろう。

これらは融資能力の拡大であることを強調しておきたい。FRBはお金を特定の受益者に与えることはできない。返済されるとの前提のもとに、融資を促すための仕組みを作るだけだ。多くの借り手は恩恵を受けるが、返せない融資を受けることは解法にならない。こうした場合は直接の財政支援が必要だ。経済対策は人と企業を直接助ける。直接支援は経済への長引く影響を最小限に抑える上で決定的な役割を果たす。

我々は、イールドカーブに沿って政策金利目標を定めることについて、歴史や諸外国の経験を点検した。我々の政策手段に合うかどうかはまだ議論の余地がある。我々は今後の会合で議論を続ける。経済の軌道がよりはっきりするのに合わせ、我々の政策姿勢と対話について評価したい。

四半期ごとの経済予想サマリー(SEP)も再開した。見通しの異常なまでの不確実性を考慮すると、FOMC参加者はそれぞれ数多くの考えられる経済の軌道を予測した。1つ選ぶことは不可能だが、SEPはFOMC参加者の経済への評価と見通しを反映する有効な手段だ。7~9月期に経済の回復が始まると見ており、ゼロに近い現状の水準の金利に支えられ、(回復は)2~3年は続くとみられる。もちろん考えられるあらゆる結果を考慮して政策を決めるのであり、特定の見通しに基づくものではない。

最後に、この国の人種不平等の痛みを再び浮き彫りにした悲劇的な事件について述べたい。FRBは全米に奉仕する。我々は人種の平等に向けて取り組む米国の多数の共同体の一員だ。FRBは人種差別を受け入れない。我々の社会もそうすべきでない。あらゆる人が社会と経済に参加する機会を持つ資格がある。

これらの原則は金融政策を通じて、我々を多様性と包括性に導くものである。我々の仕事は公平に信用が使われることを担保するものだ。FRBの仕事は全米の共同体や企業に接するもので、公的な使命に資する。我々はあらゆる手段を講じて経済を支え、困難な時期を抜け出すことを助ける。

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June 11, 2020 at 04:06AM
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