
経世彩民 津阪直樹の目
最低気温が1度まで下がった2月26日、ドイツ・ベルリン郊外。雪が舞う中、食料の配給を求め、列を作った約50人の中にヘルガさん(69)の姿があった。毛糸のベレー帽にスカーフ、赤いレインジャケット。一見ふつうの高齢のドイツ人女性というイメージから、ヘルガさんの厳しい生活をうかがい知るのは難しい。
年金は最低水準の月額790ユーロ(約9万5千円)。家賃500ユーロ(6万円)を払えば、残りはわずか。貯金はなく生活費を少しでも切り詰めるため、ほぼ毎週、ベルリン郊外にあるこのフードバンクに通っている。
年金の額が少ないのは、現役時代の働き方が原因だ。子ども4人を育て、親の介護をしながら就けるのは1日4~6時間程度のパートタイムの仕事だった。
離婚したことで、もらえる年金は自分の所得に応じた額だけになり、人生設計は大きく狂った。
「苦しいのは私だけじゃないので、もう受け入れている。でも、本当は自分も十分な年金をもらえる権利があるんじゃないかとも思っている」
高齢者の貧困、金融危機時よりも深刻
欧州経済を牽引(けんいん)する、世界の主要経済国ドイツ。強い経済と並び、知られるのが先進国でも指折りの財政の健全さだ。そのドイツの足元で近年、ヘルガさんのような高齢者の貧困問題が深刻化している。
ドイツの地元メディアによると2017年、高齢者の5人に1人が貧困の危機にあった。金融危機まっただ中の10年は14%だったので、むしろ悪化している。
ドイツ国民の生活が苦しくなっているとするなら、誰のための、何のための緊縮財政なのだろう? そんな素朴な疑問が浮かんでくる。
ドイツ最大のフードバンクであ…
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March 10, 2020 at 05:00AM
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ドイツの緊縮財政はだれのため? 貯蓄好きと広がる貧困 - 朝日新聞
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