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Friday, March 27, 2020

社説 新年度予算成立 財政への危機感どこに - 信濃毎日新聞

 2020年度の予算がきのう、成立した。

 一般会計の総額は8年連続で過去最大となり、2年連続して100兆円を超えた。

 社会保障関係費が過去最高となり、防衛費も最大を更新したのが主因である。

 問題は多い。財政の健全度を示す基礎的財政収支は3年ぶりに悪化する。消費税の増税で税収などの歳入が1兆3千億円増となったのに対し、政策経費がそれ以上に膨らんだ。

 前提とした政府の経済成長率の見通しは、実質で1・4%程度である。編成時点ですら「楽観的で現実的ではない」との指摘が民間エコノミストから出ていた。

 消費税の増税や、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で、日本の経済状況は想定を超えて悪化している。

 ウイルスの影響が出る前の19年10〜12月の実質の国内総生産(GDP)は、年率換算で7・1%減に落ち込んだ。政府の3月の月例経済報告では「回復」の文言が6年9カ月ぶりに消えた。

 想定していた税収が期待できる状況ではない。財政は極めて厳しくなる。

 感染拡大を受けた緊急経済対策は現在、とりまとめ作業中だ。事業規模は56兆円を超え、国の財政支出はリーマン・ショック後の対策の15兆円を上回る見込みだ。歳出はさらに膨らむ。

 感染拡大の状況から一定程度の赤字国債の発行はやむを得ないだろう。ただし、当初予算を検証して当面必要のない歳出を削り、感染拡大対策に組み替える努力をする必要があったはずだ。

 防衛費には目的や効果に疑問のある項目が少なくない。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の関連費が129億円、F35B戦闘機6機の初取得費には793億円を計上している。

 米政府の提示額を日本が受け入れる制度「対外有償軍事援助(FMS)」は過去3番目に多い4713億円に上っている。改めて必要性を精査すべきだった。

 野党は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業の関連予算などを削除し、ウイルス対策費を追加する動議を提出しただけだ。与党は応じなかった。

 政府、与党は経済対策の事業規模拡大ばかりに目が向き、本格的な議論にもならなかった。与野党とも危機感が乏しすぎる。

 25年度の財政健全化目標は達成不可能になったといえる。財政再建に向けた道筋を示さなければ国際的な信用を失いかねない。

(3月28日)

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March 28, 2020 at 07:07AM
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